爽快RUN&WALK秋田新屋

 自然豊かな秋田市新屋地区を中心に、ウォーキング、ジョギング、ハードな走り込み、様々な歩きや走りのスタイルに応えるいくつかのコースを紹介します。みなさんのウォーキング、ジョギングスタイルにお役に立てることができれば幸いです。

晴走雪読

 秋田もすっかり雪に覆われる季節になりました。紹介してきたランニングコースも雪の中です。それでも、今日のように晴れ間に雪が溶けてアスファルトが見える日もあります。小生も今日は【コースその3】を自転車で走ってみました。晴れてはいたのですが、風が強くて、それはそれは厳しいサイクリングとなりました。その中、懸命に走っているランナーもいました。東京マラソンでしょうか、青梅マラソンでしょうか、冬の関東以南のレースに備えるランナーにとっては、厳しい季節ですが、大切な走り込み期です。みんな工夫してますね。がんばれー。
 さて、とくに目標もない小生は冬ごもりの季節で、本読みに耽る季節でもあります。図書館や本屋で、書棚から一冊の本に出会うことを楽しみにしているのですが、最近は、新聞や雑誌の書評から、図書館に予約注文することが多くなりました。ただ、話題の本になると手に入るまでかなりの時間がかかります。今、一番待ち時間が長いところでは、奥田英朗さんの「罪の轍」という本を注文したところ、42人待ちだそうです。1人が2週間借りたとして、14日×42人で早くても588日後に手に入ることになります。1年半以降ということですね。もう古本扱いです。早く買いなさいよ、という声が聞こえますが、1年半前の話題作に出会うというスリルと、2週間で読み切らなければというノルマが、こんな自堕落な本読みを進めているのです。
 乱読ですが、読むたびに新たな発見があり、目の前で教えを受けているような緊張を感じます。孔子は、深い愛には言葉が必要だと説いています。言葉が貧弱ならば、愛は本能的動物的な範疇を抜け出せず、深まらないといいます。そこに学問の必要性があると説いています。愛でなくとも、人の生き様の中に言葉の重要性は、誰もが認識しているところですが、その温床となるのが読書なのではないでしょうか。
 岩本麻那さんというフランス在住の医者であり、作家であり、美容ジャーナリストが書かれた「人生に消しゴムを使わない生き方」という本があります。フランスの教育のこと、フランスの誇り高き文化を紹介している本です。その中に、フランスの教育を紹介している箇所があり、象徴的なのが、「学校で鉛筆と消しゴムを使わない」ことが挙げられています。小学校に入ってから大学院に至るまでずっと、学校の机の上に消しゴムのカスが落ちることがないというのです。
 この文書もそうですが、ワープロを使ってとりあえず、浮かんだ単語を打ち込み、後から都合良く並べる文書作りが一般的になってきました。そして、何度でも直すことができる。しかし、いきなり万年筆で書きなさいとなると、相当文書を考えてから書き出すことになります。しかも丁寧に。さらに、消しゴムによって、書いた内容を初期化させないことで、プロセスも含めて“思考の進化”が記録され、子どもの個性まで、的確な評価と指導が可能になるというのです。答だけ正解、マルで終わらない思考の過程を大切にする指導ですね。
 これは、フランスという国の根本的な文化・思想に基づく考え方だと思うのですが、「都合の悪いことをなかったことにする」、公文書だって書き換えちゃえ、不都合はシュレッダーというどこかの国のご都合主義を皮肉っているようにも感じます。消すか消さないか、消しゴムを使うか使わないか、様々な考え方があり、意見も分かれるところですが、世界の中で生きるこれからの若者たちに、文書を使って考える能力を説くことは避けることはできません。その基本はやっぱり本を読むことかな、と思います。
 長い秋田の冬、じっくり読書に浸りましょう。あっ、レースを控えている人は、雪でもファイト!